あらゆる事業活動において、すべての人々の人権を尊重し、社内外を問わず人種、国籍、民族、性別、年齢、肌の色、宗教、信条・思想などによる差別のない企業をめざしています。
小野薬品グループは国内外を問わず、あらゆる事業活動において、すべての人々の人権やお互いの多様な価値観、人格、個性を理解・尊重し、行動します。また、「国際人権章典」、「労働における基本的原則および権利に関するILO（International Labour Organization）宣言」、「賃金や労働時間など労働者の人権に関する諸条約」、「OECD多国籍企業の行動指針」、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」などの人権に関わる国際行動規範、国連グローバル・コンパクトの10原則を支持・尊重しています。
2020年7月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」をもとに、「小野薬品グループ人権グローバルポリシー」を定めました。小野薬品グループ全体として、ステークホルダーに対する人権尊重の責任を果たすため、当グループのすべての役員及び従業員に「小野薬品グループ人権グローバルポリシー」を適用するとともに、小野薬品グループの事業、製品、サービスに関するすべての取引先企業関係者に対しても、本方針を遵守するよう働きかけていきます。なお、本ポリシーは、2023年3月の取締役会で承認を得て改定し、開示しています。
また、従業員による人権尊重は企業活動の基本であると考え、全従業員が日々の業務活動の中で指針とすべき「ONO グループ コード・オブ・コンダクト」においても人権の尊重を掲げています。
さらに、グローバルな事業活動を展開する上で、サプライチェーン全体での強制労働、児童労働などの世界的な人権問題に関し、「調達活動基本方針」の改訂および取引先企業にご協力いただきたい事項をまとめた「小野薬品 ビジネスパートナーのためのサステナブル調達コード」を策定し、協力を依頼するとともに連携強化を図っています。
当社は、自らの事業活動において、またサプライチェーンにおいて、直接または間接的に人権への負の影響を及ぼす可能性があることを認識しています。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って、自社が社会に与える人権への負の影響を防止または軽減するために人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、これを継続的に実施するとともに、その進捗ならびに結果について外部に開示していきます。
2022年度、当社は経済人コー円卓会議日本委員会（以下、CRT日本委員会）の協力を得て当社グループおよびサプライチェーンを対象に、人権への潜在的リスクの影響評価（人権リスクアセスメント）を実施し、今後重点的に取り組んでいく人権テーマを特定しました。今後、顕在化したリスクの影響評価（人権インパクトアセスメント）を実施する予定です。
まず、デスクトップ調査*を実施し、サプライチェーンを含む当社の事業活動と関わりのある潜在的な人権リスクを抽出しました。
さらに潜在的な人権リスクの高いテーマ・領域を洗い出し、当社のリスクを特定するための人権デュー・ディリジェンス ワークショップを開催しました。人権デュー・ディリジェンス ワークショップは関連部署から計25名が参加し、２日間にわたって実施しました。
ワークショップでは社会からの要請や変化を考察した上で、当社の事業に影響を与える可能性があるライツホルダーおよびバリューチェーン全体で懸念される潜在的な人権課題の特定を行いました。
デスクトップ調査、人権デュー・ディリジェンスワークショップを通じて懸念された潜在的な人権課題についてアセスメントを行った結果、詳細なリスクが把握できていない課題が認められました。今後、以下の２つの課題に対しグループ会社および取引先と協働しながら実態把握を進めてまいります。さらに、予防・是正措置を実施するとともに、緊急性の高い人権課題や、新たな人権課題をいち早く認識することのできる仕組みの構築も進めてまいります。
原料調達先の生産・製造者、特に原材料生産者の労働環境や製造委託先の労働環境の実態を把握し、自社の調達活動において当事者の人権への具体的な負の影響を特定・評価し、予防・軽減措置の実行に取り組んでまいります。
国内グループ会社やサプライチェーン上の脆弱な労働者の実態を把握し、自社の調達活動において当事者の人権への具体的な負の影響を特定・評価し、予防・軽減措置の実行に取り組んでまいります。
当社では緊急性の高い人権課題にいち早く対応することのできる仕組みをＣＲＴ日本委員会と連携して構築しています。
2022年、米キンバリー・クラーク社と豪アンセル社の2社はサプライヤーであるマレーシアのゴム手袋製造会社ブライトウェイ社での強制労働の実態を認識しながらも利益を得ているとしてワシントンの法律擁護団体International Rights Advocates（IRA）より訴訟を起こされました。
CRT日本委員会よりその報告を受け、当社はキンバリー・クラーク社が販売するブライトウェイ社製のゴム手袋購入実績があったため、代理店を通じて調査を行いました。その結果、調査時点（9月15日）においてキンバリー・クラーク社はブライトウェイ社との取引を停止し取り扱いを行っていないこと、さらに、全ての生産委託先に対して定期的に第三者機関監査を実施していることを確認しました。当グループとしてはキンバリー・クラーク社の製品を引き続き利用しながら、訴訟の進捗や対応を見守り、今後さらなる懸念が生じた場合には代替を含め再検討することを決定しました。
当社ではあらゆるハラスメントを防止するためにコンプライアンス体制を強化し、毎年研修を行うなど働きやすい職場環境づくりに向けて取り組んでいます。コンプライアンス体制・研修の詳細につきましてはこちらをご覧ください。
また、小野薬品グループ人権グローバルポリシーの改定にあたり、全社員を対象とした研修の前段階として、2022年度は業務監査部、法務部、経営企画部、サステナビリティ推進部、調達購買部、コンプライアンス推進部および人事部の担当者を対象に、「ビジネスと人権に関する指導原則」に関する研修を実施しました。
当社では、ハラスメントなどを含むコンプライアンス違反の未然・再発防止、適切な就労環境の確保、違反発生時に迅速な対応・措置を講じて社会的信頼の失墜や損失を最小限にとどめることなどを目的に、24時間受付可能な社外窓口「小野薬品ホットライン」をはじめとする、通報・相談窓口を社内外に設置しています。
内部通報・相談体制の詳細につきましては、こちらをご覧ください。