患者さんとその家族のための取り組み

リード文

当社は患者さんやその家族をはじめとして、広く人々の健康に貢献するために、さまざまな活動に取り組んでいます。今後も人々の健康の一助になるさまざまな活動を継続して行っていきます。

医療情報の発信

コンテンツやアプリを通じ、継続的に医療に役立つ最新の情報を発信しています。また、疾患啓発や正しい情報の提供を目的とした疾病関連の市民公開セミナーへの協力・開催を行っています。2024年度はリウマチ、慢性腎臓病などの領域を中心に7回のセミナーを実施し、約900名の方に参加いただきました。

提供コンテンツとアプリ 取り組み内容
「ONO MEDICAL NAVI 患者さんとご家族の皆さまへ」 身近な病気についての主な症状や検査方法を、ウェブサイトでより分かりやすく紹介するために、内容とデザインを一新しました。また、患者さんが健康で充実した生活を送れるよう、全国のウォーキングマップやプランター菜園など、健康状態に合わせて楽しく体を動かせる情報もご用意しています。
「ONO ONCOLOGY
(一般・患者さん向け情報)」
がんの病気や治療、がん免疫について紹介するウェブサイトを通して、月間約15万人に情報を発信しています。また、ヤングケアラーの経験者とスクールソーシャルワーカーの対談や、AYA世代でがんを経験した夫婦のインタビューなど、がん患者さんやその家族が直面する社会的な問題や支援の必要性に関する情報も新しく更新しています。
「ふくサポ®」
(副作用管理支援デジタルツール)
免疫チェックポイント阻害薬で治療を受けている患者さんのセルフケアの向上、副作用の早期発見の手助けとなるふくサポアプリを無償提供しています。
患者さんが、日々の体調や副作用を管理アプリに記録することができるほか、医療機関に連絡した方が良いと考えられる症状がある場合、スマートフォンの画面上でアラートを表示します。また、ご家族の方などと記録内容を共有することも可能です。
「バアちゃんの世界」 認知症啓発ショートムービーを提供しています。

リレー・フォー・ライフへの参加

2014年度から、社会貢献活動の一環としてリレー・フォー・ライフ(RFL)に参加しています。リレー・フォー・ライフは、日本対がん協会とリレー・フォー・ライフの全国実行委員会が実施しているチャリティ活動であり、がんと向き合い、がん征圧を目的として、全国で実施されています。当社は研究所や工場、営業所所在地エリアの開催場所を中心に、社員が継続して参加しています。2020年度から2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響により多くのエリアで開催が縮小・中止されましたが、2023年度からは各地での参加を本格化し、2024年度は、全国17か所の会場に計279名の社員が参加しました。

2022年度から、リレー・フォー・ライフの会場に設置した当社のブースにおける新たな活動として「メッセージフラッグ」を始めました。参加者の皆さんに当社社員に伝えたい想いを「メッセージフラッグ」に綴っていただくことで、参加者の皆さんとのコミュニケーションにつながっています。今後もリレー・フォー・ライフを通じて、がん患者さんとそのご家族への支援を継続していきます。

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スポーツを通じた長期療養児の支援

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数カ月、数年、あるいはそれ以上の療養生活を送る長期療養児が日本全国に約25万人いるとされています。長い入院、辛い治療。そのために同世代と同じ経験ができないまま年齢を重ねていくこどもたちが多くいます。当社は、そんなこどもたちに寄り添い「長期療養を必要とするこどもたちに最高のこども時代「青春」を実現するTEAMをつくる」活動を進めている認定NPO法人「Being ALIVE Japan」を支援・協働しています。2024年はBeing ALIVE Japanが開催した長期療養児を対象とした5つのスポーツイベントの開催に協力し、計50名の社員がボランティアとして参加しました。
10月には兵庫県神戸市・しあわせの村で、2回目となる「TEAMMATESスポーツキャンプ関西」が当社単独支援により開催されました。1泊2日の日程で開催されたスポーツキャンプには6家族が参加され、こどもたちは大学の運動部やプロのアスリートによる手ほどきを受けながら空手、ラクロス、ラグビーやカーリングなど様々なスポーツに取り組みました。当社からは22名のボランティアが参加し、スポーツの補助やご家族のサポートを行いました。また、このスポーツキャンプでは、薬を作る際の工夫を知り、薬に対し興味を持ってもらうことで薬との付き合い方が変わることを期待し、当社の独自企画「薬のヒミツ・マナブ」も開催しました。白衣姿で実験に望んだこどもたちは、錠剤を溶かす実験で薬が溶けていく様子を興味深く観察していました。

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闘病中の子どもたちへのスノーギフト

当社は2014年度より、病気とたたかう子どもたちのための夢の医療ケア付キャンプ場を運営する公益財団法人「そらぷちキッズキャンプ」(北海道滝川市)を賛助会員として継続的に活動をサポートしています。
2021年度からは、キャンプ場のさらさらの新雪を箱に詰め、雪の降らない地域の医療機関に入院中の子どもたちに届けて雪遊びを楽しんでもらう「スノーギフト」へのサポートを行っています。病院内でのスムーズな荷物の受け渡しができず、箱詰めの雪がとけてしまうケースがあったため、日頃から病院に訪問・活動している当社MR(医薬情報担当者)が宅配業者から荷物を受け取り、医療機関の担当者へ直接「新雪」を届ける「雪運びボランティア」としてお手伝いしています。
2025年1月~2月にかけて、当社のMRが全国14施設の医療機関の担当者に「そらぷちキッズキャンプ」からのスノーギフトを手渡しで届け、雪に触れる機会のない入院中の子どもたちに雪遊びの楽しさをプレゼントすることができました。後日、雪遊びをした子どもたちや保護者、医療スタッフから喜びの声や手紙が届けられ、参加した社員からは、「楽しさ(雪)を届ける」お手伝いができてよかったとの感想が寄せられました。

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ワールドキャンサーデーの支援

ワールドキャンサーデーは、2000年2月4日にパリで開催された「がんサミット」を起源とする、UICC(国際対がん連合)のグローバルな取り組みです。この日は、世界中の人々が、がんという共通の敵に対して共に考え、約束を交わし、そして具体的な行動を起こすための重要な機会となっています。
小野薬品グループでは2024年10月~11月に、海外法人を含む全社員とその家族を対象に、健康増進と社会貢献を目的にウォーキングキャンペーンを実施しました。このキャンペーンでは、参加者数および合計歩数の目標に応じてワールドキャンサーデーを支援することとしました。結果として、グループ全体で約3,600人が参加し、がん患者さんを想い、一丸となって歩きました。その想いがワールドキャンサーデー2025の支援につながりました。

(参照)

がん患者さんの支援(米国)

マサチューセッツ州にある森と庭園に囲まれた施設ヒーリングガーデンでは、がんに影響を受けたすべての人々に対して、マッサージ療法、音楽療法など生活の質を向上させるためのストレス軽減のプログラムが提供されています。2024年5月、ONO PHARMA USAの社員がヒーリングガーデンを訪問し、利用者が快適に過ごせるよう、心を込めて施設と庭園を清掃するボランティア活動を実施しました。
また、血液がんと闘う人々を称え、連帯を示すためにランタンを掲げて歩くチャリティイベント「Light The Night」には2022年から、そして血液がんの治療研究を支援するためのチャリティーラン/ウォーク「ASH Foundation Run/Walk」には2021年から継続して参加しています。

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小児がんの子どもたちとそのご家族の支援(韓国)

韓国小野薬品では、2019年から小児がんNGO団体「ハンビット愛の後援会」を支援しています。ソウル市内にある当団体が運営する「ハンビット愛ハウス」は、入院や通院の際に長距離移動を必要とする小児がんの子どもたちとそのご家族が利用できる滞在施設です。
2024年度は韓国小野薬品の社員が家族とともに、病気と闘う子どもたちが病気を乗り越えられるようにとクリスマスの贈り物を考えました。さらに、想いを込めて作成した手紙やイラスト、ビデオメッセージを添えてハンビット愛ハウスに贈りました。

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献血への取り組み

当社では、日本赤十字社の献血活動に積極的に協力しています。2024年度は水無瀬研究所、フジヤマ工場、山口工場および本社において、献血バスによる団体献血を実施しました。また、本社では併せて骨髄ドナー登録受付も実施しました。

『Changeの瞬間(がんサバイバーストーリー)』

当社は、2020年4月から2025年3月まで、がんサバイバーから学ぶ「今」と「未来」について情報発信するラジオ番組『Changeの瞬間(とき)』を提供しました。各方面で活躍されている著名ながんサバイバーから、がんがわかったときの気持ちや、どんな想いでがんと向き合うようになり、どんなきっかけで前向きになれたのかなどを語っていただいています。番組は終了いたしましたが、2025年9月末まで番組公式You Tubeチャンネルでご覧いただけます。