「企業は人なり」との考え方から、一人ひとりの能力の啓発と失敗をおそれない前向きな取り組みを積極的に支援し、個人の能力が最大限に発揮され、企業と社員が共生できる社内環境づくりと安全衛生への取り組みを推進しています。
また、あらゆる事業活動において、すべての人々の人権を尊重し、社内外を問わず人種、国籍、民族、性別、年齢、肌の色、宗教、信条・思想などによる差別のない企業をめざしています。
当社は、「人財育成」を重要な経営課題の一つとしており、会社の成長戦略と人財育成戦略とを連動させています。すなわち、成長戦略を自分ごととして行動できる人財を育成し、組織開発を通して、小野薬品らしい価値を社会に提供することこそが当社の人財育成の最終目的です。このため、「小野薬品ミッションステートメント」、「中長期成長戦略」、「成長戦略実行のための組織能力要件」、「多様性を持った人財」という一貫した4つの要素を人財育成戦略に組み込み、社員一人ひとりが常にチャレンジし自律できるよう、成長の機会を提供し、グローバルスペシャリティファーマへの飛躍の源泉となりうる戦略的な人財育成を行っています。
また、当社がグローバル社会に提供したい価値は、革新的な新薬の提供というイノベーションです。革新的な新薬を生み出すイノベーション人財を多く輩出することが人財育成の大きな目標のひとつであり、全部門の社員がイノベーションを起こすことを期待し、さまざまな育成プログラムを実施しています。また、イノベーションを起こすために優れた個と個を結びつけ、新規のアイデアを発想し、チームとして強みを発揮できる「新結合」を実践できる組織開発にも取り組んでいます。
成長戦略を推進するために最も重要なことは、成長戦略の基盤となる「ミッションステートメント」に基づいた行動を実践できる「人財」の育成です。そのためミッションステートメントへの理解を深めるための活動に取り組むとともに、個々の社員が強みを伸ばしながら自分らしさを発揮できる環境づくりを進めています。
また、成長戦略に必要なスキルや行動と現時点でのギャップを見える化することを目的に、スキルマップデザイン(業務に必要とされるスキルのリスト化)の導入をすすめています。マネージャー及びその部下が、部署ごとのスキルマップを作成することで、成長戦略の実践に向けた個々人の活動を明確にすることをめざしています。
さらに、成長戦略に見合った人財配置を検討するために、社長をオーナーとし、経営企画部と人事部が事務局を務める人財開発会議を設置しています。主に、次世代幹部候補者として選抜された従業員およびグローバル人財候補者として選抜された従業員について、全本部長、統括部長が参加し配置を考える場としています。配置については、従業員自身のキャリアビジョン、これまでの経験や成績評価、Profiles社のジョブマッチシステムを踏まえて、全本部長合意の下で異動・配置を決定しています。本部を跨いだ戦略的なジョブローテーションやベンチャー出向人財の選定、グローバルな職務への戦略的な配置を可能にしています。
人々の生命に深くかかわる医薬品に携わる製薬企業の一員として高い倫理観と強い責任感、使命感を持つとともに、グローバルスペシャリティファーマへの飛躍のための源泉となる人財の育成をめざしています。
当社は、創業300年を超え、未来に向けてチャレンジを続けていく源泉となる人財を求めています。
個の開発においては、一人ひとりが自身のキャリアビジョンを明確に描くことが出発点となります。キャリアビジョンの中核は人生の中で達成・実現したことであり、それがミッションステートメントに紐づいていることが、当社での働き甲斐につながると考えます。また、個の開発に向けて、当社は仕事や研修の場を提供しています。
当社は、人財育成に重要な3要素「職場での経験(経験学習)」「上司からの指導(社会学習)」「自己啓発・選択式研修(自己学習)」を重要視して、さまざまな人財育成研修を企画・実施しています。これらの3要素は、社員一人ひとりが自分自身のキャリアビジョンを明確化することで、その学習効果が増強されます。このため、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格保持者が運営し、社員一人ひとりに対し、人生や小野薬品の中で何を成し遂げたいのか、そのために自分がどうありたいのかを明確にし、言語化することを支援する制度(セルフキャリアドック制度)の導入をめざしています。また、2020年度よりセルフキャリアドックに関する研修やe-ラーニングを実施しています。
また、自部署のみならず他部署のスキルマップを確認できるシステムを2023年度の施行に向けて準備しています。将来チャレンジしたい部署の仕事内容やキャリアアップの方策を自主的に考えるきっかけとすることで、社会学習と自己学習が促進される状態をめざしています。
当社は「チームワーク」を大切にしています。これは、当社の行動原則「小野は、世界を変えるチームとなる」に基づくものです。仕事の目標設定においては、個人の目標に留まらず、チームの目標も併せて設定します。普段から周囲とコミュニケーションを取り、お互いに個性を発揮しながら仕事を進めることで、自分一人では起こせないようなイノベーションの創出につながります。
人財の育成には、日々の業務で最も関わりの深い直属の上司との1on1コミュニケーションが特に重要と考えています。1on1コミュニケーションでは、現在直面している仕事上の相談だけでなく、本人のやりがい、強み、将来のキャリアについても深く議論することで、仕事に対するモチベーションを高く維持させるとともに、より高い目標の達成に向けた活動につなげています。
キャリアビジョンとして描いた未来に向けてチャレンジを続けていくためには、一人ひとりが自ら考え、学び、成長することが必要不可欠です。次のチャレンジへの源泉となるさまざまな自己啓発学習や選択式研修の機会を提供しています。
当社はさまざまな研修を通じて成長の機会を提供しています。ミッションステートメントに基づいた行動を実践できる人財を育成するために、入社1年目の全部門合同研修、部門別導入研修に加え、若年層には年次別研修を導入するなど、節目ごとに集合研修を実施しています。管理職には、役割や職務階層ごとに求められる能力や組織の成長に必要とされるマネジメント力の向上を目的とした研修を実施しています。これらの研修は、教育機関とも連携しながら企画します。また、次世代経営者候補人財やグローバル人財、イノベーション人財育成のための選抜プログラムを実施しています。さらに求める人財像でもある「自律する人財」を育成するために自ら選択し参加できる研修を拡充、自己啓発学習推進のための補助制度も導入しています。
小野薬品のキャリアイメージ
2021年度 全部門共通教育研修概要
「小野薬品ミッションステートメント」は当社の企業理念である『病気と苦痛に対する人間の闘いのために』を具現化するために、当社で働く社員すべてが共有する指針として、患者さんやその家族がどのような想いで病気と向き合い、日々の生活を送っているかを十分に理解した上で、社員一人ひとりが行動できることをめざしています。これらの活動は患者さんの真のニーズの理解を深める活動であり、会社の存在意義と社員のやりがいとを重ね合わせる機会です。これは組織としての一体感醸成や社員のエンゲージメント向上にも寄与するため、当社の最も重要な施策の一つとして位置付けています。
ミッションステートメントへの共感とそれに基づく行動の実践を促すことをめざしたワークショップです。本ワークショップでは、当社の歴史についての理解を深めるとともに、ミッションステートメントの策定経緯やその背景にある当社の挑戦の歴史を経営トップが自ら語ったり、マネージャーが自身のチャレンジ経験を部下に語ったりすることで、社員への共感を促し、自発的な実践につなげています。
また、海外現地法人社員とキャリア採用社員を対象に定期的に、ミッションステートメントの策定経緯やその背景にある当社のチャレンジの歴史を経営トップが自ら語り、その後、参加者間で感想や、今後どのような行動をしていきたいかを共有する時間を設けています。
患者さんに薬剤を届けるためには、患者さんの苦しみや医療スタッフの真のニーズを理解することが重要です。そこで、患者さんや医療スタッフの生の声を聞くため、医療機関での研修を実施しています。この研修では医療スタッフの皆様が日々どのような想いで患者さんに接しておられるのかも直接感じることができ、真のニーズの理解に役立ちます。(2020年度および2021年度はCOVID-19の影響で未実施です)
患者さんに薬をとどける製薬企業の社員にとって、直接患者さんと接する機会は非常に重要です。患者会講演会では、患者さんに、病気が見つかった時の気持ちの整理や症状そのもののお話から、日々の生活の質への影響、また薬の効果や副作用、そして病気と向き合いながらどのように日々過ごしているかをお話しいただきます。患者さんの生の声を聞くことで、患者さんの気持ちに共感することができ、日々の業務の中における患者さん視点につながると考えています。
患者さんの視点を持つために、2019年度からは、バーチャルリアリティ(VR)機器を用いた体験型研修を行っています。例えば、認知症の患者さんは、幻覚を見ることで不安が生じ、普段できていたことができなくなってしまいます。医療スタッフが認知症患者さんの前に立つか横に立つかのケアの違いで幻覚が消え、患者さんがスムーズに動けるようになります。このように知識だけでの理解ではなく、VRを用いて健康な人が気付けないことを体感することで、患者さん視点をもつことにつなげています。また、2021年度からは、ペイシェント・エクスペリエンス理解の研修を導入し、患者さんの持つゴールや価値観を理解することで、より患者さんに寄り添った意識を醸成し、新薬創出などの価値提供の実現につなげています。
次世代経営者育成を目的に、一般社員層から上級マネージャー層を4階層に分けて、選抜研修を実施しています。
研修は“経営者の視点・考えを学ぶ”を共通テーマとしていますが、階層に応じたカリキュラムが設定されており、研修期間も1~2年と異なります。一般社員層向けの研修では、管理職となる前の早い層に対してリーダーシップ開発が行われ、研修終了後にジョブローテーションが行われます。上級マネージャー層向けの研修では、次世代経営者候補としての自覚醸成をめざした研修を行うとともに、業界を超えた他社経営幹部とのディスカッション中心の意見交換会(他流試合)への参加も取り入れています。
なお、選抜人財は、部門横断的な貴重な共有人的資本と位置づけており、次世代幹部候補者として経験すべきジョブに配置できるように、全本部長が同じ目線で議論できる会議体を構築しています。
患者さんに新薬を届け続ける製薬企業にイノベーションは欠かせないことから、当社ではイノベーション人財の育成に最も注力しています。イノベーションを継続的に起こせる環境を作るため、従来の育成施策に加え、さらに多面的かつ集中的にイノベーションを起こせる場としてOno Innovation Platform(OIP)を立ち上げています。OIPでは、挑戦するためのマインドとスキルを学ぶ研修プログラム「Innovation Cafe」、ベンチャー企業に出向し、越境体験により圧倒的な当事者意識を身に付けさせる「Voyage to Venture(以下:V2V)」、社員自身の課題意識にもとづいた新規事業への挑戦を行うビジネスコンテスト「HOPE」などを通じ、イノベーション人財を育成しています。OIPの参加資格は全従業員にあり、全部門でイノベーション人財が育つ組織風土作りを進めています。
Innovation Caféでは、「知る」「触れる」「体験する」ことができるプログラムを提供しています。社員が基礎的な知識を得るだけでなく、現場を学び、実践的なスキルを身に付けられるよう、さまざまなセミナーやワークショップを開催しています。2021年度は、ビジネス・ヘルスケアの最新トレンドや顧客思考に基づいた課題解決方法などをテーマにした計10のプログラムを開催し、延べ1315名が参加しました。なお、当社が注力するオープンイノベーションについては、外部専門家を招いたセミナーを開催するなど充実した学びの場を設けました。今後も、知識やスキルの獲得にとどまらず、社員が自身の成し遂げたいこと(WILL)と向き合う機会を提供していきます。
V2Vでは、イノベーションを創出できる人財の育成には修羅場を乗り越えることによるレジリエンスの獲得が重要であるとの考えに基づき制度を構築しています。人財開発会議における推薦及び公募で年間最大5名の枠でベンチャー企業に1年間出向しています。当社の事業領域であるヘルスケア産業とは違う事業領域のベンチャー企業を選定することで、レジリエンスの獲得を深化し、帰任した後には、出向前の職場に戻りイノベーションを起こすことを期待しています。
HOPEでは、アイデアの審査のみではなく、成長と挑戦を支える各種支援を行っています。コンテスト参加者には、HOPEを通じて、自己実現の機会が得られ、変革をリードする力が身につくことを期待しています。2021年度のエントリー人数は83名、123テーマで現在5テーマが選考過程に進んでいます。
また、LoanDEAL社のOutsight(ビジネス創出のベンチャー提案プログラム)に参加し、ベンチャー企業の経営課題に対して解決策を提案し、本気で議論する「オンライン越境」プログラムも2022年度に稼働予定です。参加者には異業種のリアルな課題に何度も向き合うことで、未知の課題に挑戦するマインドとスキルを手に入れることを期待しています。Outsightという社外での研鑽を通じて、実践で課題解決力を磨き、挑戦心・胆力を養うことをめざし、2022年4月にエントリーを開始しています。
近年のAI等の新技術活用に向けて、デジタルトランスフォーメ―ション(DX)・ITスキル人財の育成に積極的に取り組んでいます。育成部門とIT部門とが連携し、DX・ITについての基礎的な知識習得から活用スキル習得まで、社員のレベルに合わせた学びの場を提供しています。
当社の今後の成長に必要不可欠な、グローバルタスクをこなせる人財の育成をめざし、グローバル人財育成研修を実施しています。将来のグローバルリーダーとして各部門長から推薦された社員を対象とし、近い将来求められるグローバルタスクを起点に、個人個人のスキルギャップを特定します。そして、スキルギャップに応じて、語学プログラムやグローバルスキル向上プログラムに参加しています。環境適応力、リーダーシップ、ロジカルシンキング、グローバルビジネススキルを約1年かけて習得していきます。
育成したグローバル人財は、人財開発会議において会社のタスクと本人のキャリアビジョンとのマッチングを加味して、適切なグローバルタスクに配置しています。
グローバルビジネスに必須の英語力を身に付けるための研修です。英語関連の業務遂行のための対応力を強化することを目的に、1週間の国内合宿型英会話研修、3カ月の海外留学型語学研修、週1回の講師派遣型英語研修(2年間)の3つプログラムを設けています。
新入社員導入研修では、全新入社員を一同に集め、基本的なビジネスマナーやルール、チーム内での役割分担や協働を学び、社会人としての自覚を身につけることを目的として、ミッションステートメント(企業理念、めざす姿、行動原則)、コンプライアンス、情報セキュリティ、人事制度、メンタルヘルスケア、個人情報保護法やインサイダー取引規制、およびCSR活動などについて2週間かけて学びます。また視野の拡大を目的としたグローバル研修やダイバーシティ研修も取り入れています。導入研修終了後は配属される部門別に分かれ、専門教育を行います。さらに、入社から10カ月後に、社会人1年目の出来事の棚卸をして自分自身を省み、2年目に向けて気持ちを新たにする新入社員フォローアップ研修を実施しています。 また、リアリティショックの軽減のために、入社6~9か月後には、新入社員およびその上司に対して人事部の1on1面談を実施しています。
入社後、半年間かけて行う営業部門の新入社員研修においては、MR(医薬情報担当者)として必要な医薬・薬学・医療制度の知識や当社製品と関連する疾患知識の習得、実践を想定したアウトプットトレーニングなどを行います。また、先輩MRと同行しMRの仕事と医療現場でのルールなどを学ぶ実地研修や、医療現場で求められるMRとなることを目的に、医師や卸売業者から直接話を聞く機会を設けています。
入社初年度に受験予定のMR認定試験に対しては全員合格を目標に、研修期間中だけでなく、配属後においても入念なバックアップ体制で臨んでおり、業界トップクラスの合格率を維持しています。
入社3年次研修は、各自が「自立」から一歩進んだ「自律」への意識変革の必要性に気づくこと、自発的な提案や行動、後輩の育成を促進することを目的に、必要とされるコミュニケーションスキルの学習など、現場の実践につながる内容で実施しています。
入社5年次研修では、各自の仕事を多面的に捉え、新たな視点で見つめ直すことで、仕事へのモチベーションをさらに向上させることを目的に、成果をあげながら成長していく経験学習サイクルを学び、暗黙知を持論化し職場での持論の効果的な実践や周囲への展開につながる内容で実施しています。
上位等級への昇格者研修では、リーダーとして求められる役割を理解し、主体的にチーム運営に関わる意識と姿勢を醸成します。また、問題発見に必要なスキル習得と周囲に影響を与える存在となるための意識づけを図っています。
基幹社員昇格者研修では、次世代マネージャー候補として、人事評価制度の理解、周囲との信頼関係構築力と実行力を高めるマネジメントスキルを身につけます。
新たにマネージャー職に登用された社員への研修では、人事評価制度の再確認や労務管理についての理解、マネージャーとして期待される役割、チームビルディングやチームマネジメントについて学びます。
これらの昇格者研修は階層や部署の枠組みを超えたメンバーで開催されるため、部門間連携の意識強化にもつながっています。さらに、2020年度の昇格者研修においては、受講後のOJTへの接続による研修効果の増加を目的に、研修事後説明会を受講生の上司向けに実施しています。また、2021年度からは、研修事後説明会に加えて、研修前においても受講生の上司向けに説明会を実施し、上司から受講生への研修の動機づけを行い、研修の投資対効果を高めています。
マネージャー研修では、ミッションステートメントの理解と実践、人財育成を組み入れたプログラムを実施しています。部署間の交流活発化を目的に、全部署のマネージャー職を一同に集めて実施するマネジメントスキル教育をはじめ、活動目標面接制度の有効活用および公平公正な評価実施のための評価者研修、働きやすい職場環境作りに向けてのコンプライアンス、メンタルヘルスラインケアの研修を行っています。
自発的で成長意識の高い社員に対して、自己啓発学習の機会を提供するとともに一部費用を支援しています。リーダーシップやマネジメント、会計、財務、英会話等、500以上の科目を学べる環境を整えています。また、オンライン外国語会話の補助や資格試験補助を通じて、自己啓発学習促進を図っています。
自発的で成長意識の高い社員に対して、自ら選択できる研修を提供しています。会計や財務といった、部署によっては普段の業務で触れる機会が少ない業務内容を学習できる経営シミュレーションゲームなどを用いて早い段階から経営者目線を養える研修や、他人や組織を導くためのリーダーシップやチームビルディングを学ぶ研修を行っています。
当社は、革新的な医療用医薬品を継続的に創出するために、常にイノベーションを追求しています。イノベーション創出のアイデアの源泉として、専門分野・性別・国籍を問わない幅広いダイバーシティが今後益々求められます。本研修においては、ダイバーシティの意義を理解するだけでなく、より活かすための面談のスキルの向上や、マネジメントの習得を図ることを目的に全マネージャー職に実施しています。
社員それぞれのキャリアの棚卸と、以後のキャリアについて前向きに考える機会を、研修として提供しています。自分自身では気付かなかった資質や強み、やりがいや大切にしている価値観を発見することで、今後のキャリアプランを策定し、成果に結びつけることを目的に、さまざまなキャリア理論を学ぶとともに、グループワーク形式で研修を実施しています。
コーチング研修では、マネージャー職がコーチングについてプロフェッショナルコーチから1on1でのコーチを受けることに加え、受講生を交えたオンラインクラスでのトレーニングを行います。また、並行して社員に対するコーチングも実践し、職場のコミュニケーション向上につなげています。
名称 | 人数 |
---|---|
ミッションステートメント理解・浸透ワークショップ | 164名 |
患者目線向上の取り組み(患者会講演会・患者体験) | 1,051名 |
選抜研修(次世代経営者育成研修・グローバル人財育成研修) | 64名 |
イノベーション人財の育成研修 | 541名 |
デジタル人財の育成研修 | 174名 |
英語研修 | 108名 |
新入社員導入研修 新入社員フォローアップ研修 |
82名 |
入社3年次研修 入社5年次研修 |
146名 |
一般社員最上位等級昇格者研修 基幹社員昇格者研修 マネージャー昇格者研修 マネージャー研修 |
290名 |
自己啓発(通信教育講座・オンライン外国語会話・資格試験補助) | 642名 |
選択式 自主的参加型研修 | 1,184名 |
キャリアプランニング研修(eラーニング含む) | 8,068名 |
これらの研修に加え、本部ごとで必要な専門的スキルを習得するための研修を別途実施しており、2021年度の一人当たりの年間研修時間は53.8時間でした。
また、製薬企業の社員として弁えるべき薬害教育、安全性情報の収集および個人情報の取り扱い、贈収防止等、基本的な事項についてはe-ラーニングを通して研修しています。
当社では、大学生や大学院生を対象に、就業体験の一環として、インターンシップを行っています。インターンシップでは製薬業界の紹介に加え、各職種における活動を紹介したり、社員との交流の機会を設けたりするなど、製薬企業の仕事を体感できるプログラムを設けています。インターンシップに参加することで、製薬会社が果たすべき使命や仕事のやりがいを感じ、これからのキャリアを考えるきっかけに役立てていただきたいと考えています。
当社は、国内外を問わず、あらゆる事業活動において、すべての人々の人権やお互いの多様な価値観、人格、個性を理解・尊重し、行動します。
こうした考えのもと、社内外を問わず人種、国籍、民族、性別、年齢、肌の色、宗教、信条・思想などによる差別、嫌がらせなどを禁止し、人事制度の構築や運営を行っています。また、あらゆるハラスメントを禁止するとともに、コンプライアンス研修を実施しています。
さらに、当社は、国連グローバル・コンパクト(UNGC)加盟企業としてUNGCの10原則を支持するとともに、「世界人権宣言」や「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則および権利に関する宣言」、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を尊重し、これら国際規範に準拠した人権尊重の取り組みを行っています。詳細は当社の「小野薬品人権グローバルポリシー」をご参照下さい。
当社は国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従って、自社が社会に与える人権への負の影響を防止または軽減するために人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、これを継続的に実施いたします。
当社は、サプライチェーン上重要な取引先のCSRの状況を客観的および継続的に把握するため、EcoVadis社のCSR評価システム(以下、EcoVadis)を活用しています。EcoVadisの活用により、1年に1回以上の頻度で、取引先のCSRマネジメントに関して、信頼性の高い情報を得ることができ、取引先に対して適切な是正措置を提案することができます。なお、2021年度の評価においては、CSR高リスクに該当する企業はありませんでした。また、2022年度より包括的な人権デューデリジェンスを実施します。
当社は、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業価値を向上させるために、組織を構成するメンバーの属性や価値観、行動特性の多様性に対する理解を深め、その個性を認めることが重要であると考え、さまざまな取り組みを推進しています。ダイバーシティの意義を理解し、多様な人財のマネジメントに活かせるよう、入社年次別、階層別研修などにダイバーシティ&インクルージョン(多様性、包含・社会的一体性)推進を目的とした内容を組み入れ、社内の理解促進を進めています。自社内の活動に加え、企業の枠を超えた勉強会やセミナーにも参画し、多様性向上のためのノウハウや取り組みについての情報収集に努めています。
女性が生き生きと活躍できる体制づくりに注力しており、女性の積極的な採用や、ライフイベントに伴う離職の防止策を進めた結果、女性社員数が着実に増加し、2022年3月時点での女性社員の雇用率は、2013年3月時点と比較して4.7%上昇しました。さらに、管理職研修や年次別、階層別研修等において、ダイバーシティ&インクルージョン推進を目的とした内容を組み入れるなど、女性がより活躍できる環境を整備しています。
当社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づいて行動計画を策定しています。現在は2021年4月1日から2023年3月31日までの期間で策定した行動計画に則り、管理職候補層の女性割合の増加および職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備を進めています。
また、仕事と育児の両立を支援するために「育児休業復職後から始める両立支援セミナー」を年に2回実施しています。女性だけでなく全社員へ案内し、育児参画や仕事と育児の両立について考える機会を設けることで働きやすい職場環境作りにもつなげています。
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|---|
全体 | 87 | 71 | 73 | 82 | 68 |
男性 | 44 | 47 | 44 | 49 | 42 |
女性 | 43 | 24 | 29 | 33 | 26 |
女性社員の定着率※3
目標 | 取り組み計画 | 各年度の結果 |
---|---|---|
2017年度採用より、新卒総合職に占める女性の採用率を40%とすることを目指す |
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直近5年間に入社した新卒総合職の社員について、女性の定着率を男性の定着率と比較して90%以上とすることを目指す |
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目標 | 取り組み計画 | 各年度の結果 |
---|---|---|
係長級に占める女性比率を15%以上にする |
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2021年度: 14.0% |
男性の育児関連休暇制度取得率を75%以上にする |
|
2021年度: 79.0% |
当社では、多様性向上の一環として障がい者雇用を積極的に推進しており、障がい者が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。2022年4月には、障がいのある方に働く機会をより多く提供するために、100%子会社の小野薬品ユーディ株式会社を設立いたしました。まずは印刷事業から手掛け、今後は多種多様な業務へと障がいのある方が能力を十分に発揮し、活躍できる場を広げていきます。働きがいのある雇用機会を提供することで、持続可能な社会に貢献していきたいと考えています。 現在、32名の従業員が生き生きと活躍しています。
さらに、当社が必要とする技術や知識、経験を持つ人財を即戦力として採用するキャリア採用にも力を入れています。特に、事業環境の変化を鑑みて積極的に取り組みはじめた2014年度以降は、MRや開発職、安全性情報管理部門、デジタル・IT部門、管理部門など幅広い部門においてキャリア採用を積極的に行っており、2021年度は、約50名が新たに入社しました。経験や専門性を生かしながら、それぞれの役割を果たして活躍しています。
障がい者雇用率
キャリア採用在籍従業員数
当社では、2016年より聴覚障がい者とのコミュニケーションツールとして、企業用UDトーク※4を導入しており、聴覚障がい者が所属しているほとんどの部署でUDトークを利用しています。現在ではWeb会議システムの画面上にリアルタイムにテロップがでるようになり、テレワーク環境下においても社内コミュニケーションで聴覚障がい者が不自由することなくいきいきと仕事ができる環境を支援していきます。