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Environment 環境 :

生物多様性保全

リード文

当社は、地球環境に恩恵を受け事業活動を行っていることを認識し、持続可能で豊かな社会の実現のために、生物多様性に影響を与える環境リスクの低減に努めるとともに、生物多様性保全活動を推進しています。

小野薬品工業株式会社 経営企画部 兼 CSR推進室, 小野薬品工業株式会社 CSR推進室, system

取り組み

生物多様性保全に対する考え方

当社は、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、革新的な医薬品の創製を行っています。これら医薬品の研究・開発・調達・生産・流通・販売・使用・廃棄にわたるすべての段階において、生態系に及ぼす影響を認識するとともに、生物多様性保全に配慮した活動を行います。また、国立公園や保護区などの地域や国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストの「深刻な危機」および「危機」カテゴリーに分類された生物が生息する地域での操業は行いません。
当社は「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同しています。

行動指針

  • 当社の事業活動が生物多様性に与える影響を認識し、生物多様性保全に配慮した活動を行います。
  • 生物多様性に関する条約、ならびに各国各地域の法令やルールを遵守します。
  • 遺伝子組換え生物や病原体等の使用にあたっては、関連法規制を遵守し、適正な利用および管理を行います。
  • 社内外のステークホルダーとコミュニケーションを促進し、生物多様性保全の推進に努めます。
  • 社内意識を向上させ、全社員参加のもと生物多様性保全活動を推進します。

主な取り組み

工場排水の環境影響評価

主力工場であるフジヤマ工場から河川に排出する排水については、全排水毒性試験(WET試験、ミジンコ、藻類、魚類の生物応答を利用した毒性試験)を実施し、当社の工場排水による環境への負荷を総合的に評価します。また、生産事業所および研究所の排水については、関連法規制より厳しい自主基準を設けて管理しています。

新医薬品開発における環境影響評価

医薬品の適正使用による排泄および医薬品の廃棄を介して環境中に排出された医薬品有効成分およびその代謝物は、それらの生理作用、物理化学的および生物学的な性状に起因して、生態系に影響を及ぼす可能性があります。当社では承認申請を目指す新規医薬品については、承認を目指す各国のガイドラインに基づいてそれらの影響を適切に評価しています。

自然保護活動

富士山5合目清掃

フジヤマ工場では、地域環境に配慮した活動として、2019年8月に富士山5合目付近の清掃を行いました。これは、富士山周辺の自然に対する関心を高め、地球環境保全について自ら考えることを目的とした取り組みです。なお、2020年度、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本活動は中止となりました。

富士山5合目清掃
離宮の水保存会

水無瀬研究所では、全国名水百選に選ばれている名水を守るため「離宮の水」保存会に加入しており、年2回の一斉清掃に参加しています。なお、2020年度、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本活動は中止となりました。

水のふしぎ探検隊への協賛

当社は、富士宮市が主催する水環境を中心に、富士山の自然環境、地球環境について自ら考えることを目的とした体験学習『水のふしぎ探検隊』(フジヤマ工場周辺自治体主催/小学生対象)への協賛を2015年度より行っています。なお、2020年度、2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、本活動は中止となりました。

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環境リスク低減

化学物質管理

化学物質の排出については、法令遵守はもとより、人の健康や生態系に影響を与えることを認識し、可能な限り排出抑制に取り組んでいます。

環境への化学物質の排出抑制

当社では人の健康や生態系に有害な影響を及ぼす恐れのある化学物質について、化学物質排出把握管理促進法のPRTR制度に基づき適正な管理を行っています。2021年度、国に報告したPRTR法第一種指定化学物質の取扱量(年間取扱量が1t以上の物質)は、11.6tでした。また、同年度の大気および公共水域/土壌への排出量は、それぞれ0.3tおよびゼロ(排出量なし)となり、引き続き低い水準を維持しています。詳細はESGデータ集をご参照ください。報告品目以外の化学物質につきましても、関連法規制を遵守し、適正に化学物質管理を行っています。引き続き適正な化学物質管理により、環境中への排出抑制に取り組んでいきます。

目標に対する結果
目標 2021年度の結果

PRTR法第一種指定化学物質の環境への排出量抑制

届出化学物質の大気中への排出量は0.3tおよび公共水域/土壌への排出量はゼロ(排出量なし)となり、低い水準を維持
ポリ塩化ビフェニル(PCB)含有廃棄物の取り扱い

PCB含有廃棄物については、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」を遵守し、適正に処分を行っています。2021年度、水無瀬研究所で使用している古い年式の変圧器2台に対してPCBの分析を実施した結果、低濃度PCB廃棄物に該当することが判明しました。2台の変圧器については、大阪府へ「ポリ塩化ビフェニル廃棄物等の保管及び処分状況等届出書」を提出し、上記法律に定められた2027年3月31日までの処理期限内に、低濃度PCB廃棄物の処分許可を有している処理業者に委託し、適正に処分する予定です。

PCB廃棄物 種類 分類 台数
高濃度PCB廃棄物
(PCB濃度:0.5%超)
コンデンサなど 使用中 0
保管 0
低濃度PCB廃棄物
(PCB濃度:0.5%以下)
変圧器など 使用中 2
保管 0
放射性同位元素等の管理

放射性同位元素等の管理については、「放射性同位元素等の規制に関する法律」に基づき適正に行っており、その結果を放射線管理状況報告書として原子力規制委員会に毎年度報告しています。

遺伝子組換え生物・病原体等

創薬研究および生産活動において使用する遺伝子組換え生物および病原体等については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」および「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」などの関連法令に基づいて定められた社内規程を遵守することによって、環境中への拡散や漏洩を未然に防止しています。また、これらの研究試料の適切な利用を推進するため、社内安全委員会が実験従事者の教育訓練や実験申請の審査を継続して実施しています。

大気汚染・水質汚濁防止

生産事業所および研究所では、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、化学物質排出把握管理促進法など関連法規を遵守し、さらに各自治体と公害防止協定を結び、環境への影響を低減させています。また、関連法規などに基づき、ボイラーやコジェネレーションシステムの排ガス・騒音や工場排水の測定を定期的に行い、規制値内の水準を維持しています。
各事業所内でPDCAサイクルを回し、環境に影響を与える原因となりうる作業について、従業員に環境管理上必要な教育訓練を行い、環境リスクの低減に努めています。
緊急事態の訓練も定期的に行っています。設備機器の異常による高濃度のばい煙の発生、オイルの地中浸透などを想定した予防処置手順に則り、年1回の訓練と、訓練を通じた実地教育を実施しています。
近年、地球温暖化による異常気象が頻繁に起きているため、それらに起因する事故や緊急事態を想定し、各種マニュアルを策定するとともに、訓練を通して環境への影響を最小限に留めるよう努めています。また、水質汚濁や土壌汚染につながる事故・緊急事態に備え、毎年訓練を実施しています。万が一、有害物質を含んだ排水が排水系統に流れてしまった場合に備え、廃水を貯留するための貯留槽を設置するとともに、特に危険性が高い系統については専用の回収タンクを設け、排水系統からの切り離しを行っています。
 

目標に対する結果
目標 2021年度の結果

排出基準の遵守を徹底し、引き続き環境事故や地域社会からの苦情ゼロに向けて取り組みを継続

大気汚染・水質汚濁ともすべての分析結果において排出基準に適合、地域社会からの苦情ゼロ
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