リード文
異常気象をはじめとする気候変動の影響は年々大きくなってきており、地球温暖化防止に向けた取組は、国際社会の重要な課題となっています。小野薬品グループは環境に対する企業の社会的責任を認識し、豊かな地球環境を保全するため、事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進します。
環境グローバルポリシー
当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、革新的な医薬品の創製とともに、気候変動などの地球環境課題の解決に取り組み、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。
- 環境に対する企業の社会的責任を認識し、製品の研究・開発・調達・生産・流通・販売・使用・廃棄にわたる全ての段階において環境に配慮した活動を行います。
- 各国・各地域の環境関連法令・協定および自主基準を遵守します。
- 環境マネジメントシステムのもと、目標と活動計画を設定し、定期的にモニタリングを行い、情報開示を行います。
- 最新の科学技術を積極的に取り入れ、環境負荷の低減を図ります。
- 自然環境保護や生物多様性保全のため、資源とエネルギーの効率的な使用、水の効率的利用と適切な排水管理、廃棄物の削減、リサイクルの推進、汚染の予防などに取り組みます。
- 社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを促進し、協働して環境にやさしい“ものづくり”に取り組みます。
- 環境に配慮した取り組みを推進するための教育を通じて、全従業員の意識の醸成を図ります。
中長期環境ビジョン
2019年、持続可能な社会の実現のため、2050年に向けた中長期環境ビジョン「Environment Challenging Ono Vision(ECO VISION 2050)」を策定しました。
ビジョン策定の背景
近年、気候変動など地球環境課題が深刻化しており、2050年の未来には、水や食料の不足、新たな疾患の増加、自然災害の甚大化による生活の基盤の破壊など、さまざまな脅威が人々の健康で健全な生活を脅かすと予想されます。
「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、当社が、革新的な医薬品の創製によって、未来においても健康で健全な社会づくりを推進するためには、当社の事業活動が健全な地球環境に支えられて成り立っている事を認識し、環境課題の解決に向けた取組を強化することが重要です。それが環境に対する企業の責任であると同時に、持続的な事業活動の基盤構築にもつながると考えます。
人々が健康で健全な社会を迎えられるよう、当社は「ECO VISION 2050」のもと、2050年を見据えて環境負荷低減に向けて挑戦していきます。
中長期環境目標
中長期環境ビジョン「ECO VISION 2050」のもと、「脱炭素社会の実現」、「水循環社会の実現」、「資源循環社会の実現」に向けた目標を設定し、取組を行ってきました。地球環境課題に対する取組を強化・加速すべく、2023年より更新した中長期環境目標の達成に向け、活動を推進しています。
- FSC®認証紙とは、FSC(Forest Stewardship Council®️森林管理協議会)の規格に基づき認証された紙です。
環境に関する社員教育・啓発活動
地球環境課題を身近に感じ、一人ひとりの行動を促すことを目的に、小野グループの全社員向けた環境教育・啓発活動に取り組んでいます。
環境負荷の高い部門では、部門ごとに社員教育および啓発活動を実施しています。
フジヤマ工場、山口工場では、それぞれ年に1回、工場の全従業員に環境教育研修を行っています。2023年度は、環境グローバルポリシーと中長期環境目標を周知徹底し、廃棄物の適正管理についての教育研修を実施しました。さらに工場内のマネジメントシステムや工場全体ならびに組織の最小単位ごとに設けている環境目標に対する活動についても教育に含めるなど、工場ごとに工夫を凝らして環境保全の意識向上を図っています。また工場ごとに毎月開催している環境委員会では、法改正および環境マネジメントシステムの変更、各組織で実施した環境活動報告などを確認・協議しており、その内容は、環境委員から工場内の全従業員へ共有される体制を構築しています。さらに、両工場の社員も所属するCMC・生産本部では、省エネルギー法に関するeラーニング(任意受講)を実施し、9割以上の社員が受講しました。
また、気候変動や水循環、資源循環、医薬品包装に関する目標や実績、取組状況を共有し、より意識していただくためにについてイントラネットや社内SNSを通じて全社員に配信を行っています。配信内容への社員の関心は高く、活動提案も含めて多くの反応が寄せられました。
環境関連のイニシアチブ・業界団体活動
当社は、気候変動を含む自然環境課題の解決に向け、当社の考えや方向性に一致するイニシアチブや業界団体の委員会活動に参画し、業界団体等を通じた行政への働きかけに取り組むなど、環境負荷低減に向けた取組を加速させています。イニシアチブ等への参画にあたっては、当社の事業目的や注力分野、事業活動との整合性を考慮し、業界団体と当社の環境保全に対する考えが大きく矛盾しないことを定期的に精査し、乖離が大きい場合には脱退も検討します。参画している環境関連のイニシアチブは以下の通りです。
SBTイニシアチブ(Science Based Targets initiative ; SBTi)
当社の温室効果ガス削減目標は、2019年6月にSBTiから認定をうけました。
SBTiは、企業が科学的知見と整合した目標(Science-based target)を設定することを支援・認定しているイニシアチブです。
気候関連財務情報開示タスクフォース (Task Force on Climate-related Financial Disclosures ; TCFD)
当社は2019年10月にTCFD提言へ賛同を表明しました。
TCFDは、G20の要請を受け、金融安定理事会により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、設立されました。
TCFDコンソーシアム
当社は2019年10月に「TCFDコンソーシアム」に参加しました。
「TCFDコンソーシアム」は、TCFD 提言に賛同する企業や金融機関等が一体となり取組を推進し、企業の効果的な開示や、開示された状況を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組について議論する場として設立されました。
ウォータープロジェクト
当社は2019年10月に「ウォータープロジェクト」に参加しました。
「ウォータープロジェクト」は、2014年に制定された「水循環基本法」で、国・企業などが連携し日本の水循環を守っていくことが定められたことを受けて発足した官民連携プロジェクトです。
RE100 (Renewable Energy 100%)
当社は2020年6月に「RE100」に加盟しました。
「RE100」は、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際イニシアチブです。
GXリーグ
当社は2022年4月に経済産業省が公表した「GX(グリーントランスフォーメーション)リーグ基本構想」に賛同しました。
GXリーグは2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXヘの挑戦を行う企業が、企業群・官・学と協働する場です。
デコ活
当社は2023年10月に環境省が展開している「デコ活」に賛同し、「デコ活宣言」を行いました。
「デコ活」とは、2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向けて、国民・消費者の行動変容、ライフスタイル変革を強力に後押しするための新しい国民運動です。