リード文
- 医療情報の発信
- 『Changeの瞬間(がんサバイバーストーリー)』
- リレー・フォー・ライフ
- スポーツを通じた長期療養児の支援
- 闘病中の子どもたちへのスノーギフト
- がん患者さんのメンタルヘルスケア活動(台湾)
- がん患者さんの支援(米国)
- 小児がんの子どもたちとそのご家族の支援(韓国)
- 脳腫瘍患者さんの支援(英国)
- 献血への取り組み
当社は患者さんとその家族をはじめとして、広く人々の健康に資するために、さまざまな活動に取り組んでいます。今後も人々の健康の一助になるさまざまな活動に、継続的に取り組んでいきます。
医療情報の発信
コンテンツやアプリを通じ、継続的に医療に役立つ最新の情報を広く発信しています。また、疾患啓発や正しい情報の発信を目的とした疾病関連の市民公開セミナーへの協力・開催も行っています。2023年度はリウマチ、慢性腎臓病などの領域を中心に7回実施し、約500名の方が参加されました。
提供コンテンツとアプリ | 取り組み内容 |
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「ONO MEDICAL NAVI 患者さんとご家族の皆さまへ」 | 身近な病気の具体的な症状や治療、普段心がけることを解説するサイトを運営 |
「ONO ONCOLOGY (一般・患者さん向け情報)」 |
監修医の協力を得て、がん領域の疾患や治療、がん免疫の概念を学ぶことができるサイトを運営 2023年度はがん患者さんの社会生活に着目し、アピアランスケアや働き盛りの就労支援に関する情報、家族を含めた様々なライフサイクルでの課題と取り組みについての情報を新たに追加 |
「バアちゃんの世界」 | 認知症啓発ショートムービーの提供 |
「ふくサポ®」 (副作用管理支援デジタルツール) |
患者さんのセルフケアの向上、副作用の早期発見の手助けとなるふくサポアプリを無償提供 ・免疫チェックポイント阻害薬で治療を受けている患者さんが、日々の体調や副作用を管理アプリに記録することができます。医療機関に連絡した方が良いと考えられる症状がある場合、スマートフォンの画面上でアラートを表示します。また、ご家族の方などと記録内容を共有することも可能です |
『Changeの瞬間(がんサバイバーストーリー)』
当社は、2020年4月より、がんサバイバーから学ぶ「今」と「未来」について情報発信するラジオ番組『Changeの瞬間(とき)』を提供しています。各方面で活躍されている著名ながんサバイバーをゲストに迎え、がんがわかったときの気持ちや、どんな想いでがんと向き合うようになり、どんなきっかけで前向きになれたのかなどを語っていただいています。がんと闘う全ての方に希望のバトンをつなぎたいという想いを込め、番組を通して、がん患者さんやがんサバイバーを応援しています。
リレー・フォー・ライフ
2014年度から、社会貢献活動の一環としてリレー・フォー・ライフ(RFL)に参加しています。リレー・フォー・ライフは、日本対がん協会とリレー・フォー・ライフの全国実行委員会が実施しているチャリティ活動であり、がんと向き合い、がん征圧を目的として、実施されているものです。当社の研究所や工場、営業所所在地エリアの開催場所を中心に、社員が積極的に参加しています。2020年度から2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響により多くのエリアで開催が縮小・中止されましたが、2023年度からは各地での参加を本格化し、全国で305名の社員が参加しました。
2022年度から、リレー・フォー・ライフの会場に設置した当社のブースにおける新たな活動として「メッセージフラッグ」を始めました。参加者の皆さんに当社社員に伝えたい想いを「メッセージフラッグ」に綴っていただくことで、参加者の皆さんとのコミュニケーションにつながっています。今後もリレー・フォー・ライフを通じて、がん患者さんとそのご家族への支援を継続していきます。
また、新型コロナウイルス感染症禍の2020年から開催されている、オンライン参加型のセルフウォークリレー(SWR)にも参加しています。SWRはスマートフォンにアプリを登録し、がん患者さんを想ってウォーキングすることで、その参加費が、がん患者さんやご家族からの不安の声や相談に応じる『がん相談ホットライン』の運営支援に繋がるというチャリティイベントです。2023年度は全国473名の社員が参加しました。
スポーツを通じた長期療養児の支援
数カ月、数年、あるいはそれ以上の療養生活を送る長期療養児が日本全国に約25万人いるとされています。長い入院、辛い治療。そのために同世代と同じ経験ができないまま年齢を重ねていくこどもたちが多くいます。当社は、そんなこどもたちに寄り添い「長期療養を必要とするこどもたちに最高のこども時代「青春」を実現するTEAMをつくる」活動を進めている認定NPO法人「Being ALIVE Japan」を支援・協働しています。2023年はBeing ALIVE Japanが開催した長期療養児を対象とした4つのスポーツイベントの開催に協力し、計43名の社員がボランティアとして参加しました。
9月には兵庫県神戸市・しあわせの村で、関西では初めてとなる「TEAMMATESスポーツキャンプ2023 関西」が当社単独支援により開催されました。1泊2日の日程で開催されたスポーツキャンプには9家族が参加され、こどもたちは大学の運動部やプロのアスリートによる手ほどきを受けながらラクロスやラグビー、カーリングなど未体験のスポーツにも取り組みました。当社からは19名のボランティアが参加し、スポーツの補助やご家族のサポートを行いました。また、このスポーツキャンプでは、薬を作る際の工夫を知り、薬に対し興味を持ってもらうことで薬との付き合い方が変わることを期待し、当社の独自企画「くすりのヒミツ・マナブ」も開催しました。白衣姿で実験に望んだこどもたちは、錠剤を溶かす実験で薬が溶けていく様子を興味深く観察していました。
このスポーツキャンプについては読売新聞および読売新聞オンラインで紹介しています。当該記事はこちらからご覧いただけます。
闘病中の子どもたちへのスノーギフト
当社は2014年度より、病気とたたかう子どもたちのための夢の医療ケア付キャンプ場を運営する公益財団法人「そらぷちキッズキャンプ」(北海道滝川市)を賛助会員として継続的に活動をサポートしています。
2021年度からは新型コロナウイルス感染症の影響により、キャンプ運営を縮小せざるを得なくなった中で始まった新しい企画「スノーギフト」へのサポートを行っています。スノーギフトはキャンプ場のさらさらの新雪を箱に詰め、雪の降らない地域の医療機関に入院中の子どもたちに届けて雪遊びを楽しんでもらうという企画です。病院内でのスムーズな荷物の受け渡しができず、箱詰めの雪がとけてしまうケースがあったため、日頃から病院に訪問・活動している当社MR(医薬情報担当者)が宅配業者から荷物を受け取り、医療機関の担当者へ直接「新雪」を届ける「雪運びボランティア」としてのサポートを行っています。
2023年度は2024年1月~2月にかけて、13施設の医療機関において当社のMRが担当者に「そらぷちキッズキャンプ」からのスノーギフトを手渡しで届け、雪に触れる機会のない入院中の子どもたちに雪遊びの楽しさをプレゼントすることができました。後日、雪遊びをした子どもたちや保護者、医療スタッフから喜びの声や手紙が届けられ、参加した社員からは、「楽しさ(雪)を届ける」お手伝いができてよかったとの感想が寄せられました。
がん患者さんのメンタルヘルスケア活動(台湾)
台湾では、がんの心理的側面に焦点を当てた精神腫瘍学が注目され始めており、がん患者さんの心理的、社会的、行動的反応を理解して、治療を提供することが重要だと考えられています。この背景を受け、2023年度は台湾小野薬品が、「患者さんのメンタルヘルスケア」をテーマとした活動に、13名のがん患者さん(講演には45名の患者さんがオンライン参加)を招待しました。
精神腫瘍学の第一人者であるDr.方俊凱の講演を聞いた後に、多肉植物でリースを作る植物アートセラピーを実施しました。植物アートセラピーは、ワイヤーや植物、土など様々な感覚に触れることで感覚神経が刺激されるとともに、作品を作ることで感情を表現することができ、ストレス軽減に有益とされています。午後には、セラピーアニマルと触れ合う活動を実施しました。
がん患者さんの支援(米国)
ONO PHARMA USAでは、がん患者さんやがんサバイバーの方々を支援するため、様々な社会貢献活動に取り組んでいます。米国がん学会は、ボストンを含む米国の主要都市で治療を受けるため、長距離を移動するがん患者さんに宿泊施設を提供するプログラムHope Lodgeを運営しています。2023年度は、ONO PHARMA USA社員が想いを込めて作成したブランケットとメッセージカード、千羽鶴を寄贈しました。
また、血液がん治療の研究を支援するチャリティイベント「Light The Night」にも参加しました。前日には非ホジキンリンパ腫を克服されたサバイバーさんをオフィスに招聘し、社員に向けて、ご自身の診断と治療についてお話しいただき、製薬企業としての使命を強く認識しました。イベント当日は血液がん患者さんの支援やがん治療の発展を願い、ランタンを持ってボストン中心部の公園を歩きました。
小児がんの子どもたちとそのご家族の支援(韓国)
韓国小野薬品では、2023年度に小児がんNGO団体「ハンビット愛の後援会」を支援しました。韓国においては小児がん治療の主要な病院は都心部に集中しており、治療のために長距離移動を必要とする患者家族には経済的、精神的負担があります。ハンビット愛の後援会が運営する「ハンビット愛ハウス」は、入院、通院の際に小児がんの子どもたちとそのご家族が利用できる滞在施設です。
「患者さんの心のケア」を社会貢献活動のテーマとして、韓国小野薬品の社員が子どもたちやご家族への想いをメッセージやイラストで表現して作成したアクリルムードライトを、寄付金とともにハンビット愛ハウスに寄贈しました。
脳腫瘍患者さんの支援(英国)
寄付の文化が根付いている英国では、様々なイベントを通じて寄付が行われます。2023年度にONO PHARMA UKでは、がんと闘う患者さんを支援するためのチャリティイベントとして、社員が準備したお菓子やケーキをオフィス内で販売するイベント「THE BIG BAKE」を開催しました。その収益金は、脳腫瘍に関する世界最大の研究助成団体であり、脳腫瘍の認知度向上や早期診断を促進する取り組み、脳腫瘍に罹患した患者さんとその家族への情報提供などの支援を行っている団体「The Brain Tumour Charity」に寄付されました。
献血への取り組み
当社では、日本赤十字社の献血活動に積極的に協力しています。2023年度は水無瀬研究所、フジヤマ工場、山口工場および本社において、献血バスによる団体献血を実施しました。また、本社では併せて骨髄ドナー登録受付も実施しました。