事業の継続的な成長を実現するためには、人財の採用・育成・確保(リテンション)が重要であり、「異なる多様な価値観を尊重しながら、社員が安心して働き、活躍している」状態を実現することが必要です。このため、社員一人ひとりが個性を発揮できる仕組みや公平で透明性の高い魅力ある企業風土、変化に適応できる柔軟な労働環境など、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進に取り組んでいます。当社はDE&I推進テーマとして、「異なり」×「一体感」を掲げています。異なるバックグラウンドや考え方を持つ人財が一緒に働くことで新たな気づき、アイディアが生まれます。それら多様性を受け入れる企業風土を醸成することで一体感のある企業となり、外部からも魅力があり、かつ当社で長く活躍したいと思う人財のあふれる組織づくりを目指しています。
当社では若手社員・キャリア入社の社員・女性社員が管理職として活躍できるよう多様化を進めています。2022年に30代前半の若手社員の管理職への早期抜擢を可能とする制度改定を実施しました。また管理職のキャリア採用も積極的に実施しており、現在では管理職の16%、100名近くの方が活躍しています。
女性社員の活躍については、女性管理職比率が4.1%(2022年度)にとどまっており、当社の課題の一つとなっています。まずは女性管理職の候補者を増やすため、女性活躍推進法に基づき、2021年4月~2年間で「係長級の女性比率15%」を目標に掲げ、達成しました。今後は2026年度までに女性管理職比率10%、2031年度までに20%の達成を目指します。目標達成に向けて、ジェンダーに関わらず公平に人財を採用・育成・確保できる仕組み・環境を整備していきます。
当社が求める技術や知識、経験を持つ人財を即戦力として採用するキャリア採用にも注力しています。2014年度以降、事業環境の変化に鑑み、MRや研究開発職、安全性情報管理部門、デジタル・IT部門、管理部門など幅広い部門においてキャリア採用を積極的にすすめています。なお、2022年度のキャリア入社の社員は約60名でした。
2023年7月には、「デジタル、イノベーション等の領域で高度なスキルを持つ専門人財」の獲得に向け、独自の人事制度等を持つ戦略子会社として株式会社 OPhrsを設立いたしました。成長戦略の推進に資する専門性の高い人財の採用にも積極的に取り組んでまいります。
キャリア採用在籍従業員数
目標 | 取り組み計画 | 各年度の結果 |
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管理職に占める女性比率を10%以上にする |
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男性の育児休業または時短勤務の少なくともどちらかの取得率を80%以上にする |
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当社では、社会全体で子育て家庭を支援し、子どもを生み育てやすい環境づくりを進めることは、企業が取り組むべき課題の一つであると捉えています。「次世代育成支援対策推進法」に基づいた行動計画を策定し、これに則って仕事と育児の両立支援に取り組んでいます。その結果、基準適合一般企業として厚生労働大臣より認定を受け、子育てサポート企業として認定マーク(くるみん)を2008年以降2020年までに計5回取得し、2019年11月には特例認定マーク(プラチナくるみん)を取得しました。
2017年4月以降、新たな育児支援制度である「育児参加奨励休暇」を導入するとともに、育児休業取得する男性社員への職場の理解促進のための働きかけとして、子育てが男女共有のライフイベントであることの発信を強めるなど、男性が積極的に育児に参加できる環境を整備しています。具体的には、妊娠・育休開始から復職までのサポートを目的としたガイダンス(プレママ・プレパパガイダンス)や、復職時の不安軽減、スムーズな仕事復帰の支援を目的とした育児休業復職時オリエンテーションを実施しするとともに、社員やその上司を対象とした育児休業復職後のフォローアップセミナー(育児休業復職後から始める両立支援セミナー)を実施し、仕事と育児の両立を支援しています。また、社内報で男性の育児休業取得の体験談などの発信を行っています。このような仕事と育児の両立支援や職場環境作り等が評価され、認定を取得しています。
男性育児休業取得率
女性社員の定着率*
当社では、引き続き男性の育児参画を促進するため、「男性の育児休業または時短勤務の少なくともどちらかの取得率を80%以上にする」という目標を掲げ、人事諸制度の構築や両立支援セミナーの実施など、更なる両立支援のための取り組みを継続して推進していきます。
個々が多様な経験や視点を獲得できるよう、「社内公募制度」や「社内チャレンジジョブ制度」を設けています。
また、社内の業務で得られない新たな知識・経験を獲得することを目的に、2023年4月から「副業・兼業」を可能としました。
社内外を問わず多様な経験と視点を獲得することで、さらなる生産性の向上、革新的なイノベーション創出の実現を目指します。
当社は、人財採用育成に資する働き方改革として、社員が安心して働ける職場づくりを進めるとともに、社員のチャレンジを推進できる制度(多様な経験・視点の獲得に記載)の導入を進めています。また、社員の一人ひとりが生き生きと働くことで成長し、その能力を最大限に発揮するために、多様な働き方ができる支援制度や職場環境の整備に取り組んでいます。
支援制度や福利厚生などにつきましては「働きやすい職場づくり・安全衛生」に詳しく掲載しておりますのでそちらをご覧ください。
当社では、障がい者雇用を積極的に推進しており、障がい者が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。2022年4月には、障がいのある方により多くの働く機会を提供するために、100%子会社の小野薬品ユーディ株式会社を設立いたしました。
同年10月には、特例子会社として認定され、まずは印刷事業から手掛けており、今後はより多様な業務で障がいのある社員が能力を十分に発揮し、活躍できる場として広げていきます。このように働きがいのある職場を提供することで、持続可能な社会に貢献していきたいと考えています。 2023年7月現在、33名の従業員が生き生きと活躍しています。
障がい者雇用率
当社では、2016年より聴覚障がい者とのコミュニケーションツールとして、企業用UDトーク*を導入しており、聴覚障がい者が所属している部署で活用されています。現在ではWeb会議システムの画面上にリアルタイムにテロップがでるようになり、テレワーク環境下においても社内コミュニケーションで聴覚障がい者が不自由することなくいきいきと仕事ができる環境づくりに取り組んでいきます。
当社では、DE&I推進の一環として、性的指向や性自認(SOGI)といった多様性を尊重し、当事者である社員が心理的安全性を確保し働ける職場づくりに取り組んでいます。
当事者がLGBTQ+に関して、匿名による相談も可能とする外部相談窓口を設置し、さらに、従業員が正しい知識に基づいた対応ができるように、e-ラーニングを全社員に実施しました。
今後もセミナーや管理職向け研修においてSOGIに関する理解を促進するとともに、当事者が働きやすい職場を作るための取組みを進めてまいります。