当社は、すべてのステークホルダーの信頼に応え、企業価値の向上を図るために、法令遵守はもとより、経営における透明性を高めコーポレート・ガバナンスを強化することが、重要な課題であると考えています。
当社は、監査役(会)設置型の経営機構を採用し、取締役会および監査役会の機能強化を中心としたコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。また、役員の指名・報酬等の決定に係る独立性および客観性を確保するため、社外取締役が過半数を占めるとともに、議長を社外取締役とする「役員人事案検討会議」および構成員の全員を社外取締役とする「役員報酬案検討会議」を設置しています。
業務執行については、執行役員制度を採用し、経営の効率化、意思決定の迅速化に努める一方、業務執行の重要事項に関しては、「経営会議」をはじめ、経営課題の重要性、内容に応じて、代表取締役や担当執行役員等が主宰する会議で審議を行い、執行を決定するなど、相互牽制による監督機能にも配慮した適切な運営に努めています。
コーポレート・ガバナンス体制図
取締役会については、経営の透明性や監督機能の強化を図りつつ、迅速かつ的確な意思決定が行える適正な規模と構成になるよう努めています。
取締役は、専門的かつ総合的な経営判断を取締役会全体として行うことができるよう、知識・経験・能力のバランスや多様性を考慮して、候補者を選定しています。また、社外取締役は、東京証券取引所の独立役員の基準を満たすことを前提に、会社経営に関して高い見識を備えた人物を選定することとし、取締役の1/3以上とすることを基本方針としています(現在、取締役6名中3名が社外取締役。うち1名は女性取締役)。なお、取締役の任期は、経営陣の責任をより明確にし、経営環境の変化に迅速に対応するため、1年としています。
取締役会は、取締役および監査役の出席のもと、原則として毎月1回開催され、経営上の重要事項の決定ならびに取締役の職務執行状況の監督等を行っています。取締役および監査役は、その役割・責務を適切に果たすために、原則として取締役会への出席率を75%以上確保することとしています。また、当社役員としての職務に専念できる時間を考慮して、当社以外の社外役員等の兼職(上場企業等の役員就任)については、原則4社以内としています。
地位*1 | 氏名 | 担当または重要な兼職の状況*1 | 取締役会 | |
---|---|---|---|---|
出席回数/ 開催回数 |
出席率 | |||
代表取締役 会長CEO |
相良 暁 | ― | 12回/12回 | 100% |
代表取締役 社長COO |
滝野 十一 | ― | 12回/12回 | 100% |
代表取締役 副社長執行役員 |
辻中 聡浩 | 経営戦略本部長 (兼)ビジネスデザイン部長 (兼)サステナビリティ推進部長 |
12回/12回 | 100% |
取締役 常務執行役員 |
出光 清昭 | 開発本部長 (兼)グローバル開発マネジメントユニット長 |
7回/12回 | 58.3%*2 |
取締役(社外) | 野村 雅男 | 岩谷産業株式会社顧問 京阪神ビルディング株式会社社外取締役 |
12回/12回 | 100% |
取締役(社外) | 奥野 明子 | 甲南大学経営学部教授 | 12回/12回 | 100% |
取締役(社外) | 長榮 周作 | パナソニックホールディングス株式会社特別顧問 株式会社日本経済新聞社社外監査役 株式会社ポピンズ社外取締役 |
12回/12回 | 100% |
監査役会は、監査機能の強化という観点から、当社事業に精通し高度な情報収集力を有する常勤監査役2名と独立性の高い社外監査役2名(うち、1名は女性監査役)という構成にしており、常勤監査役と社外監査役が協働して、監査の実効性を高めています。
監査役会は定期的に開催されており、内部監査部門(監査部)との連携によって組織的かつ効率的な監査を実施しつつ、会計監査人との連携によって監査の実効性を高めるなど、経営監視機能の向上に努めています。
地位* | 氏名 | 担当または重要な兼職の状況* | 取締役会 | 監査役会 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
出席回数/ 開催回数 |
出席率 | 出席回数/ 開催回数 |
出席率 | |||
常勤監査役 | 西村 勝義 | ― | 12回/12回 | 100% | 15回/15回 | 100% |
常勤監査役 | 谷坂 裕信 | ― | 12回/12回 | 100% | 15回/15回 | 100% |
監査役 (社外) |
菱山 泰男 | 田辺総合法律事務所パートナー弁護士 ヨシモトポール株式会社社外監査役 東京地方裁判所鑑定委員(借地非訟) |
12回/12回 | 100% | 15回/15回 | 100% |
監査役 (社外) |
田辺 彰子 | 田辺彰子公認会計士事務所代表 尾家産業株式会社社外取締役 御堂筋監査法人社員 |
12回/12回 | 100% | 15回/15回 | 100% |
当社は、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、グローバルスペシャリティファーマの実現を目指し、4つの成長戦略「製品価値最大化」「パイプライン強化とグローバル開発の加速」「欧米自販の実現」「事業ドメインの拡大」を推進するとともに、DXや人財育成などの経営基盤の強化に取り組んでいます。また、事業活動を通じて、人々の健康への貢献と企業価値の向上を目指すとともに、持続可能な社会の実現に向けた挑戦を続けています。
このような方針の下、当社では監査役(会)設置型の経営機構において、執行部門への権限移譲の拡大と独立性の高い社外役員による監督・監査機能の強化を図っています。このような背景を踏まえ、当社取締役会全体として必要と考えるスキル項目を設定し、社内取締役には業務経験、管理職経験に基づき、社外取締役と監査役には監督・監査、助言を期待する分野について、それぞれ該当項目を示しています。
地位 | 氏名 | 主なスキル・経験分野 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
企業 経営 |
財務・ 会計 |
法務・ リスク管理 |
研究・ 開発 |
事業戦略・ マーケティング |
人事・ 人財開発 |
ESG・ サステナビリティ |
グローバル 経験 |
DX・ IT |
||
代表取締役 会長CEO |
相良 暁 | ● | ● | ● | ● | |||||
代表取締役 社長COO |
滝野 十一 | ● | ● | ● | ● | |||||
代表取締役 副社長執行役員 |
辻中 聡浩 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
取締役 | 野村 雅男 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
取締役 | 奥野 明子 | ● | ● | ● | ||||||
取締役 | 長榮 周作 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||
常勤監査役 | 谷坂 裕信 | ● | ● | |||||||
常勤監査役 | 出光 清昭 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||
監査役 | 菱山 泰男 | ● | ● | |||||||
監査役 | 田辺 彰子 | ● | ● |
役員人事案検討会議は、社外取締役3名および取締役会長の4名で構成されており、議長は社外取締役が務めています。同検討会議では、原則全員出席のもと、取締役・監査役候補者および経営陣幹部指名の透明性、客観性を確保するとともに、社長等の後継者計画の方針をはじめ、当社の企業統治のあり方などについて議論しています。さらに、社外取締役のみで審議すべき案件と議長が判断した場合は、取締役会長は議論に加わらないこととしています。なお、取締役会に諮るべき役員人事については、本会議での審議を経て取締役会に上程され、決定されています。
2024年4月1日付の社長交代を含む代表取締役の異動について、役員人事案検討会議では2023年1月から本格的な議論を開始しました。取締役会への議案上程まで約1年間にわたって、経営人財の育成状況の確認、中長期的な経営戦略を踏まえて、求める社長像、社長交代後の経営体制のあり方等について議論したうえで、候補者の絞り込み、社外取締役のみでの面談等を実施しました。これらの過程において、社外取締役は独立した客観的な立場で主体的に関与いたしました。
役員報酬案検討会議は、社外取締役3名で構成されています。同検討会議では、原則全員出席のもと、個々の取締役の報酬等の額およびその算定方法の決定について、透明性、客観性を確保するとともに、役員報酬制度の妥当性や今後のあり方などについても議論しています。なお、取締役の報酬等については、本会議での審議を経て取締役会に上程され、決定しています。
当社は、東京証券取引所が制定した「コーポレートガバナンス・コード」の各原則のすべてを実施しています。今後も、毎年1回実施している取締役会の実効性評価等を通じて、当社事業に適した体制の整備を進め、経営の効率性・健全性・透明性等の向上に取り組んでいきます。
当社におけるコーポレート・ガバナンスの状況の詳細については、以下の「コーポレート・ガバナンス報告書」をご参照ください。
当社は、取締役会で決議された内部統制システムの基本方針に基づき社内体制を整備しています。また、内部監査部門(監査部)による監査を通じて、コンプライアンスの確保、内部統制上の問題の早期発見に努め、組織運営の適切性の維持・向上を図っています。また、内部統制システムの整備・運用状況は、定期的に取締役会に報告され、組織運営の継続的な改善が図られています。
なお、社会秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体に対しては、組織として毅然とした対応を取ることを周知徹底しています。
取締役会に上程する事項をはじめ、業務執行に関する重要事項について、経営会議等において多面的な検討を行うなど、意思決定および業務執行の効率性、的確性の維持・向上に努めています。また、執行役員制度を導入し、権限移譲を図るなど、経営の効率化、意思決定の迅速化に努めています。
なお、経営会議等の以下の重要な会議は、監査役の出席、議事録の閲覧等を通じ、監査の対象としています。
代表取締役社長が議長を務め、代表取締役会長、各部門を担当する執行役員および議長が指名する関連部門の責任者で構成されています。また、常勤監査役がオブザーバーとして参加しています。
取締役会に付議すべき重要な案件を事前に審議するほか、経営に関する重要事項を議論・審議することを目的とし、会社の経営方針・戦略の意思決定および重要情報を共有しています。
サステナビリティ担当役員である代表取締役副社長執行役員が議長を務め、サステナビリティ経営の責任者である代表取締役社長および各本部長、関連部門の責任者等で構成されています。また、常勤監査役がオブザーバーとして参加しています。
ステークホルダーからの信頼と支援を獲得し、社会の持続的発展に寄与することをめざし、サステナビリティに関する活動の方向性を議論・審議しています。
コンプライアンス担当(専任)役員である執行役員が委員長を務め、各本部のコンプライアンス推進責任者である各本部長または統括部長、関連部門の責任者で構成されています。また、常勤監査役がオブザーバーとして参加しています。
コンプライアンスに関する課題の検討や研修などの企画・推進、子会社からの報告事項等について議論・審議し、コンプライアンス体制の強化を図っています。
リスクマネジメント統括責任者である代表取締役副社長執行役員が委員長を務め、部門リスクマネジメント統括責任者である各本部長または統括部長で構成されています。また、常勤監査役がオブザーバーとして参加しています。
当社グループにおける全社的リスクマネジメント体制の整備・運営にかかる活動方針や年間活動計画等について議論・審議し、リスクマネジメント体制の強化を図っています。